いよいよ明日の木曜には枠順が確定します。
昨日は騎手編で、騎手に絞ってお送りしたので、今日は外厩や厩舎について書いていこうと思います。
・日本ダービー(東京優駿)~G1スペシャルvol.1~ - 馬券生活✩競馬で生きていく
・日本ダービー(東京優駿)G1スペシャルvol.2騎手編 - 馬券生活✩競馬で生きていく
日本ダービー(東京優駿)G1 東京 2016年5月29日(日)
芝2400m
※「外厩」データについては、追加される可能性があります。
外厩で現在判明しているのが2頭。
プロフェット「ノーザンFしがらき」
レインボーライン「ノーザンFしがらき」
レインボーラインはNHKマイルC3着のあと、中2週で、しかも外厩を使ってきています。
さて、この「日本ダービー」というレースと「外厩」の相性はどうなっているのでしょうか。
まずは過去3年を振り返ってみます。
[2015年] 厩舎 外厩
1着 ドゥラメンテ 堀 なし
2着 サトノラーゼン 池江寿 なし
3着 サトノクラウン 堀 なし
4着 リアルスティール 矢作 ノーザンFしがらき
[2014年]
1着 ワンアンドオンリー 橋口 なし
2着 イスラボニータ 栗田博 社台F山元TC
3着 マイネルフロスト 高木登 なし
[2013年]
1着 キズナ 佐々晶 なし
2着 エピファネイア 角居 なし
3着 アポロソニック 堀井 なし
5着 ロゴタイプ 田中剛 社台F山元TC
なんと勝ち馬に至っては、全て外厩なしとなりました。
キズナは前走が京都新聞杯だったため、レース間隔が中2週と外厩を使えなくても仕方ないのですが、ワンアンドオンリーとドゥラメンテは、ともに前走が皐月賞なので、間隔は中5週と外厩を使える間隔ではあります。
では、「外厩」って意味ないの?
という疑問が生まれてきて当然なのですが、
それではダービーと同じ舞台のクラシック、「オークス」を見てみましょう。
[2016年] 厩舎 外厩
1着 シンハライト 石坂 ノーザンFしがらき
2着 チェッキーノ 藤沢和 ノーザンF天栄
3着 ビッシュ 鹿戸雄 ノーザンF天栄
[2015年]
1着 ミッキークイーン 池江寿 ノーザンFしがらき
2着 ルージュバック 大竹 ノーザンF天栄
3着 クルミナル 須貝尚 ノーザンFしがらき
[2014年]
1着 ヌーヴォレコルト 斎藤誠 社台F山元TC
2着 ハープスター 松田博 なし
3着 バウンスシャッセ 藤沢和 ノーザンF天栄
ダービーとは全く結果が違いますね・・・
これは真逆といってもいいかもしれません。
私は、昨年などは「オークス」の結果を見て、喜び勇んでダービーでは「外厩」を使ってきたリアルスティールを本命にしたのですが、4着と敗れてしまいました。
なぜ、同じ東京芝2400mのクラシックの舞台でこうも結果が逆になるのでしょうか。
私はいろいろ考えて、「ある結論」に達しました。
ダービーは生産者の”聖域”である
昨年のオークスでルージュバックが、ほとんどを外厩で仕上げてきてレース直前に自厩舎に帰ってきた。
これで一部の競馬記者が騒ぎ出し、少し問題になった事がありました。
「大レースなのに自分の厩舎で仕上げないでどうするんだ?」
確かにこういう意見があったのです。
結局、ルージュバックはオークスで2着と好走しましたし、今年のNHKマイルCでも、全く同じ過程でメジャーエンブレムがG1勝利しました。
しかし、やはりダービー。
このレースだけは、外厩にお任せせず、自厩舎でしっかりと心のゆくまで調整をしたい。こういう想い(プライド?)はあって当然だと思います。
※ちなみに2012年のディープブリランテは「ノーザンFしがらき」を使いダービーを勝利しています。
馬主や騎手がこの「ダービー」にかける想いはすごいものがあると思うのですが、やはり「調教師」にとっても並々ならぬ想いがあって当然だと思います。
最近では、2014年のワンアンドオンリー。
この馬を管理する橋口調教師は2016年の春までに定年が決まっていました。それまで、ダービーは「ダンスインザダーク」「ハーツクライ」「リーチザクラウン」「ローズキングダム」と錚々たる馬で挑みながら、いずれも2着と敗れています。
おそらく、これが最後のチャンスだろう・・・
これは調教師本人だけではなく、厩舎のスタッフ、関係者全てが感じていた事でしょう。そういった時に、ダービーの前に「外厩」に馬を預けるでしょうか?関係者の気持ちを考えると絶対にそれはありえないでしょう。
おそらく、厩舎のスタッフ全員が一丸となって、本当に馬に対して最高の仕上げを施したのだと考えられます。
そして、ワンアンドオンリーは見事にダービーを制します。
しかしその後は、神戸新聞杯を勝ったあと、国内では2度と馬券圏内に入れないレースが続いています。
おそらくワンアンドオンリーの競走馬としての能力の全てを「ダービー」を勝利するために引き出されたのでしょう。
この「ダービー」というレースは競馬に携わるすべての人にとって、どうしても手に入れたい大切な”夢”なのでしょうね。
だからこのレースは関係者にとって”聖域”になるのでしょう。
騎手にとっても、
柴田政人にダービーを勝たせるために生まれたとも言われる
「ウイニングチケット」
河内洋の夢を叶えた
「アグネスフライト」
そして
「ワンアンドオンリー」
競走馬としての能力は超一流ではないかもしれないですが、間違いなくダービーの時は生涯で一番充実していたのではないでしょうか。
つまりこの「ダービー」というのは、普段のレースとは全く違う、本当に特別なレースであるといえます。
ダービーを勝つ馬というのは大きく分けると2種類の方向に分かれると思います。
本当の実力が抜けていて勝つ馬
ディープインパクトやオルフェーヴル、ナリタブライアンなどの3冠馬。
キングカメハメハなど、世代のトップとして能力が抜けていた馬。
昨年ダービーを制したドゥラメンテもこの可能性が高いでしょうね(まだ現役なので)。
ダービーにピークを迎えるよう仕上げられた馬
先ほどの、ウイニングチケットやアグネスフライト、ワンアンドオンリーなどでしょう。
方向性を分けると、この2種類に分かれるような気がします。
今年はどんなダービーになるのでしょうか。
関係者の夢を叶えるダービーになるのか、それとも能力検定のトップを選ぶレースになるのか・・・
こういう格言があります
「皐月賞は最も速い馬が勝ち、ダービーは最も運のある馬が勝ち、菊花賞は最も強い馬が勝つ」
最近の傾向には当てはまらないような気がします。もはや菊花賞は3冠レースとしての価値はかなり落ちているような気がします。
そのかわり、ダービーこそ、「最も強い馬が勝つレース」になってきている気がします。しかし、それと同時にやはり「運の強い馬」が栄冠を掴み取る場合もあると思います。
今回は「外厩」編という事でしたが、話の方向が少し逸れてしまったようです。
しかし、「外厩」にとらわれない、特別な「ダービー」というレース。
このレースだけは当日の雰囲気が違う・・・
そんな理由もわかるような気がしますね。
関係者としては、まだG1レースを制した事がない「里見オーナー」。初のG1勝利がこのダービーというレースになるのでしょうか。昨年のダービーは「サトノラーゼン」「サトノクラウン」と2着3着でした。
そのために、サトノダイヤモンドを管理する「池江調教師」はどんな仕上げをするのでしょうか。
ちなみに同厩舎の管理馬「プロフェット」は外厩の「ノーザンFしがらき」に預けられていました。もしかしたら池江調教師は「サトノダイヤモンド」のみをダービーに向けて自厩舎でキッチリ仕上げている・・・
こういう考え方もできると思います。
そういった、ダービーを巡るいろいろな想い。
だからこそ、このレースを予想するのは一筋縄ではいかないと思います。
ちなみに、馬券的な戦略としてはやはり「外厩」を使ってきた馬は有利なのは間違いないです。しかし、外厩なしだからといって評価を下げる必要は、このレースについては無いでしょう。厩舎レベル(色分け)で「S(ピンク)」や「A(オレンジ)」の厩舎は全く問題ないでしょう。
昨年も「堀厩舎」は自厩舎仕上げで、このレースを1着、3着と導いています。
いよいよ明日の木曜には枠順が確定します。
枠順確定バージョン、お楽しみに。
それではよろしくお願いします。
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「外厩」といったらコレです。外厩という競馬新聞にも載っていない制度。これがいかにJRA競馬を攻略するのに必要かがわかります。賞金の高い高額条件の重賞(とくにG1)がなぜ外厩使用馬で埋め尽くされるのか・・・
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▼書籍版競馬王 2016年 07 月号 ▼Kindle版競馬王 2016年07月号 [雑誌]
こちらもかなり長いあいだお世話になっています。昔は月刊誌だったのですが、現在は隔月刊で発刊となっています。
それではよろしくお願いします。